【耐震を考えた安心の外構づくり】エクステリアリフォームで備える
- リフォームコラム

近年、日本各地で地震が頻発しており、私たちの生活に大きな影響を与えています。
住まいの安全性に対する意識も高まる中、建物の耐震性はもちろんのこと、エクステリアの安全性も見過ごすことはできません。
エクステリアは、門扉、塀、アプローチ、カーポートなど、住まいの外回りを構成する様々な要素で成り立っています。
地震の揺れによってこれらの構造物が倒壊したり、落下したりすると、避難経路を塞いだり、人命に関わる二次災害を引き起こす可能性があります。
そこで今回は、エクステリアリフォームの専門家として、地震に強い安心の外構づくりを実現するための重要なポイントを詳しく解説いたします。
塀の安全性
地震による塀の倒壊は、過去の災害でも多く報告されています。
特に、老朽化したブロック塀や、構造的に問題のある擁壁は非常に危険です。
点検のポイント
ひび割れ、傾き

ブロックのひび割れ、欠け、剥がれなどがないかを確認します。特に横方向のひび割れは危険信号です。
水抜き穴の有無と詰まり

塀の水抜き穴(みずぬきあな)とは、ブロック塀や擁壁などの壁状の構造物に設けられた小さな穴のことです。
この穴は、壁の内部に溜まった雨水や地下水を外部に排出するために設けられます。
この水抜き穴が適切に設けられているか、詰まっていないかを確認します。
水抜きが不十分だと、内部の水分が膨張し、崩壊の原因となります。
控え壁の有無

控え壁(ひかえかべ)とは、ブロック塀や擁壁などの壁状の構造物に対して、直角に突き出して設けられる壁のことです。
主な役割は、地震や強風などの水平方向の力に対して、壁が倒れたり、変形したりするのを防ぎ、構造全体の安定性を高めることです。
イメージとしては、本棚が横に倒れないように、背面に板を取り付けるのに似ています。
控え壁があることで、壁面にかかる力を分散させ、一点に集中するのを防ぐ効果があります。
一定の高さや長さのあるブロック塀には、この控え壁が必要です。控え壁が設置されているか、劣化していないかを確認します。
基礎の確認
塀の基礎がしっかりしているかを確認します。地盤沈下などにより、基礎に異常が無いかも重要です。
補強・改修のポイント
フェンスへの変更

最も有効な対策の一つが、軽量なフェンスへのリフォームです。
アルミ製や樹脂製のフェンスは、地震の揺れに強く、倒壊のリスクを大幅に軽減できます。
デザインも豊富で、住まいの外観に合わせて選ぶことができます。
控え壁の設置・補強

既存のブロック塀に控え壁がない場合は、専門業者に依頼して設置を検討しましょう。
控え壁を増設したり、既存の控え壁を補強することで、耐震性を高めることができます。
アプローチと足元の安全確保

アプローチは、普段は住まいへの出入りに使用する通路ですが、地震発生時には、安全な場所へ避難するための重要な経路となります。
地震の揺れによってアプローチが損壊したり物が散乱したりすると避難の妨げになり、二次的な被害につながる可能性もあります。
そのため、アプローチを災害が起きても通行しやすくする、安全に通行できるようにしておくことは重要です。
安全確保のポイント
滑りにくい素材

タイルや石材を選ぶ際は、滑り止め加工が施されたものや、表面が粗いものを選ぶようにしましょう。
雨の日や地震の揺れの中でも、安全に歩行できることが重要です。
段差の解消・手すりの設置

段差や階段には、しっかりと握れる手すりを設置することで、地震時の移動を安全にします。
夜間でも視認性の高い素材や照明を組み合わせると、さらに安全性が向上します。
可能な範囲で、段差を緩やかなスロープに変更することも検討しましょう。
照明の設置

地震発生時は停電となる可能性もあります。
ソーラー式のガーデンライトや、停電時にも点灯する非常用照明などを設置しておくと、夜間の避難時に役立ちます。
足元を照らすローボルトの照明も有効です。
落下物は固定
植木鉢やオーナメントなど、地震の際に落下する可能性のあるものは、安全な場所に移動するか、しっかりと固定しましょう。
門柱や機能門柱がアプローチに隣接している場合は、基礎の強度や固定状況を再度確認し、必要であれば補強を行います。
耐震性のあるカーポート

建築基準法やメーカー独自の基準に基づき、一定の地震の揺れに対して倒壊しにくいように設計・製造されたカーポートがあります。
一般的なカーポートよりも、柱や梁などの構造部材が強化されており、接合部の強度も高められています。
地震の多い日本において、カーポートも耐震性を考慮して選ぶことが大切です。
耐震カーポートの主な特徴
高強度な柱・梁

通常のカーポートよりも太く、厚みのある鋼材やアルミ材を使用している場合が多いです。
これにより、地震の揺れによる変形や座屈を防ぎます。
製品によっては、柱の本数を増やしたり、特殊な形状の部材を採用することで、耐震性を高めているものもあります。
強化された接合部

柱と梁、梁と屋根材などを接合する部分には、より多くのボルトや特殊な金物を使用し、強度を高めています。
地震の揺れによる接合部の緩みや破損を防ぎます。
耐風圧性能の高さ
耐震性能を高める設計は、同時に耐風圧性能の向上にもつながることが多いです。
強風による倒壊のリスクも軽減されます。
耐震性カーポートは、一定の地震の揺れに対して倒壊しにくいように設計されていますが、あらゆる規模の地震に対して完全に安全というわけではありません。
カーポート自体の耐震性が高くても、地盤が大きく変動した場合は、倒壊する可能性があります。
劣化や異状が見つかった場合は、放置せずに設置した業者や、エクステリアリフォーム専門業者に相談するようにしましょう。
外構の耐震対策をご紹介しました。私たちの安全と安心を守るために、家の中だけでなく外構という観点からも耐震を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
地震による被害を最小限に抑えるためには、塀やカーポート、アプローチの安全性をしっかり見直し、必要に応じて点検や補強を行うことが大切です。
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