屋根に必要な雪止め ~基礎知識や種類~
- リフォームコラム
雪止めとは、屋根に積もった雪が一度に落下するのを防ぎ、人身事故や建物への損害を防ぐための設備のことです。
雪止めには、金具タイプやネット・バータイプなど様々な種類があり、屋根の形状や材質、降雪量に合わせて最適なものが選ばれます。
こちらの記事では、屋根に設置する雪止めの役割や、どのようなトラブルを防ぐかなどを詳しくご紹介します。
ぜひ参考にされてみてください。
雪止めの重要性とは?
冬季に積もった雪が屋根から落ちると、その落雪によって人や物に多大な被害を与える可能性があります。
特に歩行者や車・自転車等が通る場所に面したお住まいでは、落雪が重大な事故を引き起こすリスクが高まります。
また、落雪が原因で建物の外壁や窓ガラスが破損するケースも少なくありません。
これらの被害は、特に積雪が多い地域や急勾配の屋根を持つ建物で顕著に現れます。
雪が滑り落ちる際の衝撃で屋根自体が損傷する可能性もあり、雪止め設置費用を削減したことで修繕費用が高額になってしまうこともあります。
雪止め金具を設置することで、降雪が続いても安心して暮らせます。
雪止めがある屋根は、雪が屋根から一気に滑り落ちずに、徐々に溶けて流れるようにコントロールされます。
雪止め金具の突起物やネットが雪止めと雪との間の摩擦力を増やし、滑り出しを遅らせる仕組みです。
また、雪止めの突起や網自体が雪の塊を細かく分割することで、一度に大量の雪が滑り落ちるのを防ぎます。
屋根面を滑る雪の進行を妨げられ、ある一定の量以上の雪が積もると、その重みによって雪止め金具やネットを押し下げ雪が少しずつ滑り落ちるように設計されています。
雪止めがあることで防げる屋根まわりのトラブル
雪止めがあることで防げるトラブルは、住宅の安全性と周囲の環境を守る上で非常に重要です。
屋根からの落雪を防ぐ
雪止めが設置されていることで、屋根からの大量の落雪を防げるので、歩行者や車両への直接的な被害を避けることができます。
特に都市部では、通行人が多いため落雪による事故のリスクは高く、雪止めがそのリスクを大幅に軽減します。
また、屋根からの落雪が原因で、建物の外壁や窓、庭の植栽に損害を与えることも防げます。
落雪の衝撃で外壁が破損したり、窓ガラスが割れたりすることは珍しくなく、これらの修繕には多大な費用がかかる場合があります。
雪止めを設置することで、こうした物損を未然に防ぐことができるのです。
隣家へのトラブルを防ぐ
雪止めは隣接する建物や公共施設への被害も防ぎます。
隣家の敷地に落雪が及ぶと、トラブルに発展する可能性があります。特に、隣家との距離が近いとどちらの屋根からの落雪か、で問題になってしまうこともあります。
これを避けるためにも雪止めの設置は有効です。
また、公共の歩道や道路に落雪があると、自治体からの指導や罰則の対象となることもあります。
屋根の保護
雪止めは屋根自体の保護にも繋がります。 大量の雪が一気に落ちることで、屋根材が損傷したり、雨樋が壊れたりすることがあります。
スレート屋根や金属屋根は衝撃に弱く、雪止めがないと劣化が早まる恐れもあります。
雪止めがあることで、屋根全体の耐久性が高まり、長期的なメンテナンスコストを抑えることができます。
このように、雪止めは人や物、建物を守るための重要な設備であり、その設置によって防げるトラブルは多岐にわたります。
適切な雪止めの設置は、冬季の安心な生活環境を確保するために欠かせない要素です。
屋根に付ける雪止めの種類
雪止めにはいくつかの種類があり、形状や落雪させ方にも違いがあります。
主な雪止めの種類として、以下のものがあります。
金具タイプ
金属製のフックやブラケットを屋根に取り付けるもので、最も一般的なタイプです。
このタイプは耐久性が高く、さまざまな屋根材に対応できます。 取り付けも比較的簡単で、多くの住宅で使用されています。
網・ネットタイプ
金属製やプラスチック製のネットを屋根の端に設置するものです。
ネットが雪を捕まえて落下を防ぐため、広範囲での雪止め効果が期待できます。
ただし、設置には専門的な知識が必要な場合が多いです。
バータイプ
バータイプの雪止めは、屋根の表面に平行に取り付けられる金属棒です。
このタイプは特に積雪が多い地域で効果的で、雪が一気に滑り落ちるのを防ぎます。
非常に頑丈で、長期間の使用に耐えられる設計となっています。
瓦一体型
雪止め機能が組み込まれた瓦を使用するタイプです。 見た目が自然で、屋根の美観を損なわないのが特徴です。
新築時に取り付けられることが多く、後付けが難しい場合があります。
5.プラスチックタイプ
プラスチック製の雪止めは軽量で取り付けが簡単で、価格が比較的安価です。
耐久性は金属製に比べて劣るため、定期的な点検と交換が必要です。
これらの雪止めは、それぞれの屋根材や気候条件に応じて選ぶことが重要です。
例えば、金属屋根には金具タイプやバータイプが適しており、瓦屋根には瓦一体型が推奨されます。
また、積雪量が多い地域では、頑丈なバータイプやネットタイプが効果的です。
設置の際には、屋根の構造や材質・地域の気候条件を考慮し、最適な雪止めを選びましょう。
屋根の雪止めの設置方法
雪止めの設置は、専門業者に依頼する方法がおすすめです。
インターネットなどで雪止めの部品や工具を購入することはできますが、DIYで設置することは、原則としておすすめできません。
屋根の上での作業は非常に危険が伴います。 転落事故や感電の恐れなど、思わぬ事故につながる可能性があります。
雪止めを取り付ける際に、屋根材を傷つけてしまい、雨漏りの原因となる可能性や、雪止めのメーカー保証が受けられない場合もあります。
専門業者に雪止め設置を依頼する場合
専門業者に依頼する場合のメリットは、確実かつ迅速に作業を完了できる点です。
業者は経験豊富であり、適切な雪止めの選定から設置までを一貫して行います。
さらに、施工後の保証が付くことが多く、万が一のトラブル発生時にも対応が迅速です。
費用はDIYに比べて高くなりますが、その分安心感があります。
雪止めには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
屋根の形状や材質・地域の降雪量などに合わせて最適な雪止めを選ぶ必要があります。
雪止めの施工は、地元で屋根や外装リフォーム・修理で施工実績が多い会社にご依頼いただくのが良いでしょう。
ホームページでは、施工事例を多数掲載しています。ぜひこちらもご覧くださいませ。